この記事では実際にキャリアコンサルタントの有資格者で副業に取り組んでいる僕が、これからキャリアコンサルタントの資格を取って副業することを検討している方の以下のような疑問にお答えします!
・そもそもキャリアコンサルタントってどんな仕事なの?
・副業としてはどんな仕事ができるの?
・未経験者が副業として始める際にやるべき具体的なことは?
未経験者でも失敗しないための超具体的な内容ですので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
そもそもキャリアコンサルタントとは?
キャリアコンサルタントが注目されている背景
キャリアコンサルタント(以下、キャリコン)は2016年に国家資格となりました。 そして国は2024年度末までに、キャリコンを10万人養成する目標を掲げ各種施策を推進しています。
なぜ国はキャリコンを増やそうとしているのでしょうか? それは日本の「少子高齢化問題」が背景にあります。
放っておいても人口が増え続けた時代とは異なり、今の日本では年々人口が減り続けています。 人口が減るなかでも国力を維持するためには労働力を確保し続ける必要があります。
そのためには、例えば出産や育児を機に退職をしていた女性、定年後まだまだ働く気力や体力の残っている高齢者など、これまではそのまま働くことから遠ざかっていた人たちも、仕事や人生についての自分の価値観を大事にしつつ、いきいきと長く働ける社会にしていく必要があるのです。
キャリコンには、上記のような女性・高齢者に限らず、労働者一人ひとりの適性や能力、価値観に合った仕事や働き方を選択することをサポートしながら、キャリア形成の支援をすることが期待されています。
一人ひとりの価値観や働き方がかつてないほどに多様化するいま、社会からの期待が非常に大きい仕事だといえます。
キャリコンの仕事内容
キャリコンの仕事を一言であらわすと、「労働者一人ひとりの適性や能力、価値観に合った仕事や働き方を選択することをサポートしながら、キャリア形成の支援をすること」ということができます。
その手法としてはさまざまなものがあり、代表的なものとしては「労働者・学生など個人へのキャリアカウンセリング」「職業紹介」などです。
また、キャリコンというと個人向けの仕事をイメージされる方も多いかもしれませんが、「企業のキャリア支援制度の設計・推進」や「講師として研修実施」など、企業向けの仕事もあります。
どんな人に向いているか
僕がキャリコンの適性として最も大事だと思うことは以下の3点です。
・人の話をきき、ありのまま受容することができること
・人のサポートをすることに喜びを感じること
・向上心があること
人の話をきき、ありのまま受容することができること
キャリコンは60分や90分など、限られた時間のなかでなにかに悩んでいたり迷っていたりする人と対話をすることの多い仕事です。 ですが、最初から自分の悩みや迷いを人に打ち明けられる人はどれだけいるでしょうか? まずは相談者との信頼関係を築く必要があり、そのためには相談者の話をしっかりとききながらありのままで受容する必要があります。 ここでキャリコン自身の価値観を押し付けるとその瞬間に相談者の心は閉ざされカウンセリングは終了してしまいますので、自分の価値観は一旦わきにおいておき、相手の話をしっかりときくことができる人はキャリコンに向いているといえます。
人のサポートをすることに喜びを感じること
キャリコンは人に向き合い続ける仕事ですので、人のサポートをすることに喜びを感じることができる人もキャリコンに向いているといえます。 キャリコンは相談者との対話を通じ、その人が抱えている悩みや迷い、あるいはその人自身も気づいていなかった自分の価値観や想いを引き出して次の行動への支援をおこないます。 常に相談者のことを第一に考えながら、相談者の考えの整理・意思決定・実行などを支援していきますので、人のサポートが仕事のすべてといっても過言ではないかもしれません。
向上心があること
最後の適性として、向上心があることがあげられます。
キャリコンは日々変化の激しい社会環境のなかで相談者の支援をしていくため、労働市場の状況や関連する法律など、常に最新の知識をインプットし続ける必要があります。 また、知識だけではなくカウンセリング技術にもゴールはないため、よりよい方法を求め、日々研鑽を続けることができる人が活躍する傾向にあります。
副業ではどのような仕事ができるか?
キャリコンがどういったものかはイメージをお持ちいただけたかと思いますので、次に具体的に本業の傍らで副業として取り組めるキャリコンの仕事をご紹介いたします。
どれも副業として取り組んでいただけるものばかりですが、ハードルが低い順番にご紹介しますので、後半になるにつれて難易度が上がっていくと思っていただいて問題ありません。
オンラインでのキャリアカウンセリング
最も始めるハードルが低いのは、ZoomなどのWeb会議ツールを利用した個人向けのキャリアカウンセリングです。 キャリアについての悩みを抱えている相談者と会話し、相談者自身が行動を起こし現状をよりよいものに変えていくための支援を行います。 ハードルは低いもののキャリコンの仕事としては王道でド真ん中のものといえます。
相談者の集客を行うには、主に「ココナラなどのスキルシェアサービスで募集する」「自分のSNSで募集する」「知人に紹介してもらう」などが中心となります。
他にもハローワークから依頼を受けて求職者等にキャリアカウンセリングを行うケースもありますが、その場合は主にハローワークで平日の日中に対面で行われますので、本業との両立は難しいと思われます。
オンラインでの資格試験の対策支援
次にオンラインでの資格試験の対策支援のご紹介です。 これは一言でいうと「資格取得を目指している方のロープレの練習相手になる」ということです。 依頼者がキャリコン役、あなたが相談者役を行います。
キャリコンの試験は「学科試験」と「実技試験」の2種類があります。 学科試験は過去問を中心に対策をすることで比較的簡単に合格点を取ることができるのですが、実技試験、その中でも特にロープレについてはひとりでの対策は難しいです。
ロープレの対策としては数をこなして様々なケースに慣れる、というのが基本になりますが、養成講座内のロープレの練習は回数が十分とはいえないため、別途練習の機会を確保する必要があります。
こういったロープレの練習の機会に困っている人を「ココナラ」などのスキルシェアサービスで募集し、1コマいくら、という形で対価をいただきます。
ブログ・SNS等での情報発信
僕も実際にやっていることですが、キャリコンとしての活動で身につけたことをブログ・SNS等で発信していくことも副業となりえます。 読者にとって有益な情報を提供できブログ運営がうまくいけばアフィリエイトなどの広告収入を得ることも可能ですし、そうでなくてもキャリコンとしての活動や実績を発信することでキャリアカウンセリングの依頼につながることもあります。 すぐに直接的な収入に結びつけることは難しいかもしれませんが、自分の存在や実績をアピールする有力なツールとなりますので、これらをやらない手はありません。
研修やセミナーの講師
キャリコンとしての経験や実績を積むまでは難しいですが、企業のキャリア研修やセミナーの講師として活躍する方もいます。 この仕事は個人向けではなく企業がお客様となりますので、キャリア全般の広い知識はもちろん、発注いただく企業や業界への深い理解・洞察、また多数の方の前で話すスキルなど、キャリアカウンセリングとはまた違うスキルも求められます。
なお、研修やセミナーは基本的に企業対企業(いわゆるBtoB)の仕事であることが大半ですので、顧客企業から研修会社等へ発注されます。 ですので、研修やセミナーの講師をしようと思うと、まず研修会社やキャリア支援機関と業務委託契約を結び、そこから依頼を受けて顧客企業の社員等へ研修やセミナーを実施する、という流れになります。
未経験者が副業として始める際にやるべき具体的なこと6点
集客のために
ブログ・SNSなど情報発信できる媒体を持つ
どんな副業でも同じですが、自分の存在を認知してもらわないことには仕事を依頼してもらうことはできません。
ブログでもSNSでもホームページでも何でも構わないので、情報発信ができる媒体を持つことをおすすめします。
日々発信していく内容には自分の考え方が色濃く反映するため、毎日積み上げたものがそのまま名刺代わりになります。
キャリコンサーチに登録する
キャリコンサーチとは、キャリアコンサルタント名簿に登録されている「キャリアコンサルタント」と「キャリアコンサルタントを利用したい企業担当者や個人等」のマッチングを支援する検索システムです。 運営はキャリコンの資格試験も実施している「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」という組織が行っています。
ここに登録すればどんどん依頼が舞い込んでくるというものではありませんが、利用者の目にとまる可能性を少しでも上げるため、資格取得後すぐに登録しておくことをおすすめします。
スキルシェアサービスに登録する
「ココナラ」などのスキルシェアサービスへの登録もすぐに行いましょう。 数多くのサービスがありますが、あまり利用するサービスの数を増やしても管理が煩雑になりますので、いくつか利用してみたあとに、使い勝手がよいと感じる1〜2つに絞ることをおすすめします。
登録にあたって料金がかかることはありませんが、実際にマッチングして売り上げた金額から手数料が引かれます。 各サービスによって手数料は異なりますが、例えばココナラだと売上の22%が手数料として引かれますので、あらかじめこの手数料を加味した金額で出品するようにしましょう。
カウンセリング技術向上のために
友人・知人にキャリアコンサルティングをさせてもらう
始めたばかりのころは、思うように依頼を受けることができないことが多いです。 そういったなかでも経験を積むために、まずは友人や知人にキャリアコンサルティングをさせてもらいましょう。 また、そこから更に知人を紹介してもらうなどで、1件でも多くのケースに触れることをおすすめします。
副業としてやっているわけなので堂々とお金をいただいてまったく問題ありませんが、もし知人からお金を受け取るのは気が引けるということであれば、たとえば対面であればカフェ代やレストラン代を出していただくということでも構いません。
最初は多少の値引きをしてでも数をこなす
ココナラなどのスキルシェアサービス経由にしろ、TwitterなどのSNS経由にしろ、はじめから高単価の設定をすることはなかなか難しいものがあります。 最初は経験を積んで自分のカウンセリング技術を磨くことを最優先とし、多少の値引きをしてでも数をこなすことをおすすめします。 数をこなすことで実力も自信もついてきますし、スキルシェアサービスであれば相談者から良い評価を受けることができると、その評価内容をみた別の方からの依頼も受けやすくなります。
キャリコン仲間と繋がりをもつ
キャリコンの仕事は場合によっては他のキャリコンにリファーを行うこともあり、周囲とのネットワークが非常に重要になります。 また、キャリコンは常に自己研鑽に努める必要がありますので、効果的にインプット・アウトプットするためにも、養成講座で知り合った同期たちとはその後も繋がりを持ち続けることをおすすめします。 同期だけではなく先輩キャリコンとも勉強会などで交流をすると非常に良い刺激を受けることができますので、機会があったら是非参加するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか? キャリコンとしてできる副業の内容と、始める際の具体的な行動をまとめてみました。
はじめのうちに一番大事なことはとにかく実務経験を得ていくことになりますので、1件1件着実に積み重ねていきましょう!
がんばりましょう!