これから副業を始めるにあたり、「手始めに資格取得を」と考えている方も多いのではないでしょうか?
この記事は以下のような悩みをお持ちの方に向けて書いています。
・副業を始めるのに資格っているの?
・取得する資格を選ぶ際の観点は?
・本当に役立つ資格ってなに?
資格をうまく使いこなせば副業成功への大きな武器となりますので、ぜひ最後まで読んでください!
さっそく見ていきましょう!
副業に資格は必要か?
会社員がキャリアアップを目指す際に、資格取得は効果的な方法のひとつです。
では副業で稼いでいくためにはどうでしょうか?
副業を始めるためだけなら資格は不要
結論としては「副業を始めるためだけなら資格は不要」です。
ブログの運営やネットショップの開設など、資格がなくても始めることのできる副業はたくさんあります。
もちろん資格自体は持っていてマイナスになることはありませんが、資格取得のためには程度の差はあれ勉強時間を確保する必要があります。本業も持っている社会人にとって、時間は貴重なリソースです。直接的な成果に結びつくかわからない資格取得よりは、副業そのものに直接時間を投入した方が効率が良いと思われるケースもたくさんあります。
「資格」より「実力」をつけるのが稼ぐための最短ルート
当たり前で誰でもわかっているであろうことをあえて書きますが、「持っている資格」があなたにお金をくれるわけではありません。あなたの提供した「仕事の価値」への対価としてお金が支払われます。そしてその「仕事の価値」はあなたの「実力」からうまれます。
特定の資格を持っていないと業務を行うことのできない独占業務を副業とするのであれば資格の取得はマストになりますが、限られた時間のなかでは、基本的には「資格」より「実力」をつけるのを優先したほうが良いでしょう。
これからの資格についての考え方
「副業に資格は不要」というように感じられた方もいるかもしれませんが、そういうわけでもありません。
使いようによっては副業成功への大きな武器になることは間違いないので、本業・副業に関わらずこれからの時代を生き抜くための資格についての考え方をご紹介します。
資格取得の目的を明確にする
目的が曖昧なままやみくもに資格を取ろうとしても貴重な時間の浪費となってしまいます。
基本中の基本ですが、あなたが資格取得を通して何を得たいのか?という目的を明確にすることが成功への第一歩となります。
資格取得の目的は大きく以下の4点になります。
・独占業務に携われるようにする
・得意分野の深化(タテの広がり)をねらう
・新領域への拡大(ヨコの広がり)をねらう
・セルフブランディングへの良い影響
独占業務に携われるようにする
「特定の資格を持っていないと業務に携われない」という業務を「独占業務」といい、それらの独占業務を行うことができる資格を「業務独占資格」といいます。
例えば「医師」として仕事をしたいと思ったら「医師免許」という業務独占資格が必要となります。もし医師免許を持たずに医業を行うと懲役や罰金、またはその両方など、厳しい処罰があります。
自分のやりたいと思った仕事が独占業務の場合、対応する業務独占資格を取得する必要があります。
得意分野の深化(タテの広がり)をねらう
社会人としてある程度仕事の経験を積むと、自分の得意な分野がわかってきます。
資格取得を通じて得意分野での専門性を更に磨き込むことで、あなたの提供できる価値はさらに大きくなるでしょう。
例えば本業で経理部門で働いている人が「簿記1級」の資格を取得するケースなどです。
もともと得意な分野ですので、資格取得を通じて実力もつきやすいパターンであると考えられます。
新領域への拡大(ヨコの広がり)をねらう
これまで携わってきた領域から、新しい領域へ幅を広げていく際にも資格を取得することは有効です。
例えば本業で人材育成部門で働いている人が「社会保険労務士」の資格を取得し人事パーソンとしての領域を広げるケースなどです。
もちろん新領域での実務経験があるわけではないのですぐに価値を発揮するのは難しいかもしれませんが、幅広い範囲をカバーできる貴重な人材になれると考えられます。
セルフブランディングへの良い影響
資格を持っていること自体があなたというブランド、イメージに良い影響を与えることも少なからずあります。
例えば、同じ「経営コンサルタント」という肩書であっても、中小企業診断士の資格を持っている人とそうでない人とでは、前者のほうが「なんとなく良さそうだ」と思ってもらえる可能性が高いといえます。
もちろん最後にものをいうのはあなたの実力にはなりますが、顧客から選んでもらう際にはあなたのブランドやイメージも含めて判断されるため、資格を持っていることは大きなメリットといえます。
将来性を見極める
資格取得にあたっては、その資格を活かせる業務が将来も一定の需要があることを確認しましょう。
がんばって資格を取ったはいいものの、時代にあったものではなく活かせる仕事がなかった、ということになると貴重な時間の浪費でしかありません。
記事の後半では、今後も需要が見込まれる領域として「人事」「お金」「経営」に関連した資格を紹介します!
自分のお客様は誰かを見極める
副業で稼いでいくには、あなたのお客様(お金を払ってくれる相手)が誰であるかをしっかりと見極める必要があります。
お客様は大きく分けると「企業」「個人」のいずれかになります。それぞれアプローチの仕方や求められるスキルが変わってきますので、これまでの経験も踏まえつつターゲットを決めたら、資格取得をする際もそのお客様への価値提供につながるものを選ぶ必要があります。
例えば「お金」という領域で「企業」をお客様とするなら「税理士」を選び、「個人」をお客様とするなら「ファイナンシャルプランナー」を選ぶ、といった具合です。
これから本当に役立つ資格5選
それではこれから本当に役立つ資格を具体的に5つあげていきたいと思います。
【人事×企業】社会保険労務士
社会保険労務士とは、企業の経営資源である「人」に関する専門家です。
企業の人事労務をサポートすることが主な業務で、仕事の種類としては「手続き代行(1号業務)」「労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成(2号業務)」「人事労務管理のコンサルティング(3号業務)」となります。
1号業務と2号業務についてはAIなどの発達により今後縮小していく可能性があります。
一方で、3号業務のコンサルティング業務については近年の働き方の多様化への対応や、労働問題の予防・解決等の需要が高まりを見せています。
試験の合格率は概ね6〜7%で、合格までに必要な勉強時間は700〜1,000時間といわれています。
【人事×個人】キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、社会で働く労働者のそれぞれが最適な環境で自分らしく働くための支援をする「キャリアコンサルティング」を行います。
労働者と企業をマッチングするいわゆる職業紹介をイメージされる方も多いですが、それはキャリアコンサルタントの仕事のひとつに過ぎません。本質的にはクライアントとのカウンセリングを通じ、クライアント本人ですら認識していない思いや価値観への気づきを促し、「こうしたい」という意思決定と行動を起こすことへの支援を行います。
その過程で労働市場の状況や各種法律などの情報提供を行うこともありますので、キャリアコンサルタント自身の日々の研鑽も必要ですが、クライアントの人生への影響は大きく、やりがいのある仕事といえます。
キャリアコンサルタントの業務の幅は非常に広く、今回は【人事×個人】に分類しましたが、企業を相手に社員向け研修やキャリア支援制度の構築の支援などを行う人もおり、自身の得意な分野に特化してそれぞれ活躍しています。
試験の合格率は学科・実技ともに概ね50〜60%で、合格までに必要な勉強時間は養成講座での150時間+試験対策の100〜200時間といわれています。
【お金×企業】税理士
税理士は、主に企業や個人事業主に対して、法人税や所得税など各種税金の納税のアドバイスや、申告書の作成をすることを仕事としています。
「税金」を中心としたお金のエキスパートであり、企業の社長や個人事業主の右腕として頼られることが多い仕事です。
税理士だけに許された独占業としては、「税務書類の作成」「税務代理」「税務相談」などがあります。
その他、会計業務のサポートや、経営や相続などのコンサルティング業務もおこないます。
税理士試験は11の科目に分かれており、そのうち5科目をクリアすれば合格となります。
なお、税理士試験は科目合格制をとっており、受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよいことになっています。それぞれの科目は「必須科目」「選択必修科目」「選択科目」に分かれていますので、選択科目については自分の目指す姿に照らして受験する科目を決めていきます。
それぞれの科目の合格率は概ね10〜20%となっており、基礎知識の有無によって大きく変動はありますが、合格までに必要な勉強時間は約3,000〜4,000時間といわれています。
【お金×個人】ファイナンシャルプランナー
個人の人生とお金は密接に関係し切っても切り離せない関係であり、満足な人生を送るためにはしっかりとしたマネープランが必要です。
ファイナンシャル・プランナー(以下、FP)は、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広いお金の知識をもとに総合的なマネープランを考え、クライアントの夢や目標を叶えることでよりよい人生を実現することをサポートするお金の専門家です。
FPの資格には大きく2種類があります。国家資格である「FP技能士」と、民間資格である「AFP」「CFP」です。
国家資格のFP技能士は3級から1級まであり、一度取得をすると更新の必要はありません。
一方民間資格であるAFPとCFPは2年に1回の更新が必要になります。更新にはお金も時間もかかりますので、「FP技能士」を取得するか、「AFP」「CFP」を取得するかはそのあたりも総合的に検討が必要です。
FP技能士3級試験の合格率は概ね70%程度で、合格までに必要な勉強時間は80~150時間といわれています。
上位資格であるFP技能士2級の合格率は概ね25〜30%程度で、合格までに必要な勉強時間は150〜300時間といわれています。
実務に活かせるのはFP技能士2級以上といわれていますので、資格取得の際はFP技能士2級以上を目指しましょう。
【経営×企業】中小企業診断士
中小企業診断士とは、主に中小企業を対象として経営課題に関する分析・診断や助言を行う専門家です。
中小企業診断士の資格を持っていないとできない独占業務はありませんが、資格を持っていることで企業経営やコンサルティング能力を一定以上持っていることを証明できるといえます。
また、業務の性質上、定型業務ではなく難易度が高く正解のない経営課題に向き合うことが多いため、AI等の発達が進んだとしても残り続ける仕事のひとつといえます。
試験の合格率は年度によって変動がありますが、1次試験・2次試験ともに合格する人は概ね3〜8%で、合格までに必要な勉強時間は約1,000時間といわれています。
まとめ
いかがでしたか?
副業を始めるだけなら資格は必要ありませんので、基本路線としてはあなた自身の実力を磨いていくことをおすすめします。
ただし、資格を取得することにはメリットが多いことも間違いありませんので、資格取得を目指す際には限られた時間を浪費することのないよう、自分の目指す姿に照らして最善の選択をしていきましょう。
がんばりましょう!